卒業生による講演会「ようこそ先輩2024」が、本同窓会、(一財)若里会と工学部の主催、北陸信越工学教育協会長野県支部の共催で2024年11月1日(金)に、工学部の講義棟(C3棟)2階の200番教室とオンラインのハイブリッド形式で開催されました。
清水会長の挨拶の後に、2024年4月から就任された香山工学部長の挨拶と2名の卒業生講師より講演が行われました。
講師は常任理事会より推薦いただきました2名で、参加者は会場117名(うち学生89名、同窓生26名)、オンライン約17名(うち、学生10名、同窓生5名)でした。
ハイブリッド形式の開催に支援いただいた高村研究室の学生に感謝申し上げます。
〚講演1〛 16:25~17:05
演題:環境を軸につながる仕事
講師:上田 里絵 氏(社会開発工学科(建築)平成7年卒業、
社会開発工学専攻(建築)平成9年修士・平成14年博士修了、博士(工学))
株式会社NTTアーバンソリューションズ総合研究所 上席研究員
推薦者で常任理事、恩師の高村先生よりご紹介いただきました。講演は、『はじめに』、『会社紹介』、『卒業からの軌跡』、『環境を軸にしたきっかけ』、『つながる仕事』、『最近の取組み』、『ふり返って、いま伝えたいこと』の構成で、特に、学生の受講者に自らの進路選択および将来設計などを考えていただくきっかけになればとの思いで講演されました。
卒業して28年になり、社会人大学生として博士の学位を取得したとのことでした。会社紹介では、NTTグル-プというと電話など通信事業が主ですが、会社は街づくり領域のシンクタンク、コンサルタントなどを通じて人が主役の街づくりの具現化を目指しており、建築学科を卒業してもその専門性は活かせるとのことでした。特に印象深かったのは、ご自身の卒業から軌跡を縦軸にモチベーションで描いたグラフで、部署の移動や組織替えなどでこれまでに6回のピークと5回の谷があったとのことで、如何にモチベーションを回復して来たかを熱く語っていただき、たいへん有意義な講演となりました。
〚講演2〛 17:10~18:10
演題:これからの時代を生き抜くヒント
講師:藤岡 高広 氏(精密工学科 昭和52年卒業・精密工学専攻 昭和54年修了)
愛知製鋼株式会社 代表取締役会長
藤岡氏は、精密工学科の田中道彦名誉教授(当時 助教授)の研究室に所属され、恩師の田中先生もご参加いただきました。講演は、『田中研での想い出』、『次の時代を生き抜くキーワード』、『今を見つめて、将来へ』の構成で講演いただきました。
トヨタ自動車工業に入社されて、品質管理を担当され、同社の米国進出の準備、品質と生産のマネジメントから工場のマネジメントを行われ、愛知製鋼に移り社長、会長を歴任された略歴の紹介がありました。『田中研での想い出』では、当時の田中研での写真を交えて、英語とドイツ語などをゼミで猛烈に学習して修士論文(「一方向クラッチの有限要素解析」)をまとめられたことや、硬式庭球部でも北信越大会のダブルスで準優勝して、工学部で初めてインカレ(全日本学生選手権)へ出場された思い出などを熱く語られました。また、『次の時代を生き抜くキーワード』として、大きく時代の潮目が変わって、「CN(カーボンニュートラル)」、「DX、IOT、AI」、「CASE:Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)」、「地政学リスク」、「先読み」を挙げられて、個々について説明がありました。『今を見つめて、将来へ』では、特に、田中先生の教えが、その後、どのように役立ったかを三つの例を挙げ、上述の「英語とドイツ語などをゼミで猛烈に学習」が海外で働く駐在員の12年間に、実験室で何度も何度も繰り返した改善がトヨタ自動車での絶え間なき改善に、下級生の面倒見を頑張ることが、人材育成の大切さ、チームで仕事をすることの重要さに繋がったことなどを熱く語られました。