同窓会からのお知らせ

ようこそ先輩2025が開催されました

 卒業生による講演会「ようこそ先輩2025」が、本同窓会、(一財)若里会と工学部の主催、北陸信越工学教育協会長野県支部の共催で2025年11月20日(木)に、工学部の総合研究棟(W2棟)1階の101番教室で開催されました。今回から、新規開講しました大学院修士課程の講義「工学技術特論」計8回の最終回として、受講生以外にも公開で実施しました。この特論は、博士課程進学者を増やす目的で、工学部で学位を取得し社会で活躍されている方に講師を務めていただく講義で、今年度は38名が受講しております。
 この特論を担当し、本同窓会常任理事でもある高村先生が経緯などの説明を行い、清水会長の挨拶の後に、2名の卒業生講師より講演が行われました。講師は常任理事会などより推薦いただきました2名で、参加者は会場97名(うち学生72名、同窓生20名、教職員5名)でした。
 

写真1 挨拶する清水保雄会長
写真1 挨拶する清水保雄会長

  
  
〚講演1〛 16:25~17:00
演題:技術開発を通じた、新しいことへの挑戦
講師:田中 真子 氏(物質工学科 平成18年卒業、物質工学専攻 平成20年修了)
   エア・ウォーター株式会社 エネルギーソリューショングループ
   グリーンイノベーション開発センター長

 
 恩師である常任理事 清野先生より、田中氏をご紹介いただきました。講演は、「自己紹介」「会社紹介」「会社の脱炭素への取組み」「入社の動機と入社後」「仕事の転機」「大事にしていること」「バイオメタンプロジェクト」「挑戦のきっかけとなる最初の一歩」という構成で行われました。
 田中氏は出雲市のご出身で、BtoBの仕事に携わりたいという思いから大規模なプラントづくりに魅力を感じ、また長野県を好きになったことから、この県で働ければとの思いで入社されたとのことです。しかし、実際には大阪の研究所に配属となり、周囲の優秀な雰囲気に圧倒されることもあったそうですが、働くと決めた会社でまずは目の前の仕事に全力で取り組もうと決心されたと語られました。
 入社5年目に国家プロジェクトの開発主担当に任命されたことが大きな転機となり、現場を抱えて苦労する中で、①多くのコミュニケーションを取ること、②とにかくチャレンジしてみること、③具体的な目標を設定すること、の三つの大切さを実感し、それがご自身の成長につながったとのことでした。さらにリーダーとして、機会や期待は男女に関係なく平等に伝え、誰もが生き生きと働ける環境をつくることの重要性についてもお話しいただきました。
 ご自身では「出来の良い学生ではなかった」と自嘲気味に語られていましたが、バイタリティあふれる大変魅力的なお人柄で、たいへん示唆に富むご講演でした。学生にとっても、今後の人生設計を考える上で大変有益な内容であったと思います。
 

写真2 講師の田中真子様
写真2 講師の田中真子様

  
 
〚講演2〛 17:05~17:50
演題:165万ボルト試験用変圧器を、世界にない構造で設計せよ
講師:小林 英一 氏(電気工学科 昭和32年卒業)
   株式会日立製作所 元日立土浦工場 技師長

 
 茨城支部から推薦いただいた小林氏は、なんと91歳でいらっしゃいます。背筋もたいへんしっかりとされており(写真3)、講演中には会場の学生にマイクを向けながら歩き回られる場面もあり、91歳とは思えないほどパワフルな語り口で、熱意をもって学生に語りかけておられた姿が非常に印象的でした。
 小林氏は、電気工学科の宮入庄太先生(当時助教授、後に東京工業大学名誉教授、元電気学会会長)の研究室に所属されていました。講演のスライドは、「表 小林への勇気に繋がる先輩の言葉と行動」「図 小林の体験と意識変遷歴―次の時代を生き抜くキーワード―」「図 1650kV試験用変圧器」「略歴」「小林の行動の指針になった因子」などから構成されており、全体の流れは講師の豊富な経験に基づきながら展開されました。
 小林氏は10歳のときに東京から三水村(現 飯綱町)へ疎開されました。中学三年のとき、恩師から「これからは電気の道で生きてゆくべし」との薫陶を受け、長野工業高校電気科に進学されました。在学中にはT先生との出会いを通して数学の面白さに目覚め、大学進学へと進路を変更されたとのことです。
 また、信州大学工学部に入学された当時は新制大学として歴史が浅く、日立製作所の就職試験を受ける資格がありませんでしたが、昭和31年度から受験が可能となりました。その際、恩師の宮入先生をはじめとする先生方から特別指導を受け、電気磁気学の物理的意義について丁寧な解説を受けたことが大きな学びになったと語られました。さらに卒業研究では、机上計算による知識の習得だけでなく、電気機械の特性を繰り返し評価する実践的な訓練を受けたことが幸運であったとも述べられていました。
 そして、いよいよ演題である165万ボルト試験用変圧器の話題に入ると、ますます熱を帯びた語り口となり、会場の学生も引き込まれていました。
 なお、小林様には同窓会誌『若里』第74号(2025年12月発刊)にも、支部会員特別寄稿として、本講演と同じ題目でご寄稿いただいております。
 

写真3 講師の小林英一様
写真3 講師の小林英一様
 
 

写真4 多数の学生が集まった講演会場の様子
写真4 多数の学生が集まった講演会場の様子

 
 
〚懇親会〛 18:30~20:30
場所:シャトレーゼホテル長野
出席者数:17名

 
 懇親会は、会場を長野駅東口のシャトレーゼホテル長野に移して開催されました。香山工学部長をはじめ、講師の小林英一様、田中真子様のほか、小林様の元職場の後輩の方々、同窓会役員などが参加しました。
 伊東副会長の開会の挨拶に続き、神田若里会理事長よりご挨拶をいただき、香山工学部長の乾杯により懇親会が始まりました。終始和やかな雰囲気の中で歓談が続き、盛会のうちに散会となりました。
 

写真5 懇親会で乾杯の音頭をとる香山学部長
写真5 懇親会で乾杯の音頭をとる香山学部長

  

 
(記 同窓会常任理事 榊 和彦)

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