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当初は20人ほどでスタートし現在は46名(うち、信州大学の学生7名)で活動しています。そんな私たちは、今年度の大会に向けて3台のローバーを製作しました。製作した機体は、信州や関東で行われる様々な展示会で紹介したほか(写真2)、鳥取県の「ルナテラス」と呼ばれる鳥取砂丘のフィールド等での試走実験を重ねました。 2023年10月、私たちは大会に向けた機体の開発を開始しました。日本とアメリカで考え方や活動時間に大きな違いがある中、お互いにより良い開発方法を模索しました。設計しても、一方の国では部品が手に入らないことやお互いの意思疎通がうまくいかないことなど数々の壁に当たりました。中でも問題になったのが、物理的に各開発拠点で距離があるために実物を見て設計ができないことです。そこで私たちは、日本とアメリカで同じ足回りの機体を作り、アームやソフト、サイエンス機器の組み立ては担当国で進めることを決めました。これによりローバーのベースとなる足回りに各コンポーネントを取り付けた実験が可能になります。 |
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このようにして製作した機体とともにURC本大会に向けて2つの審査に挑戦しました。2023年11月の書類審査PDR(Preliminary Design Review)と2024年3月にあるビデオ審査SAR(System Acceptance Review)です。限られた紙面と時間で最大限のアピールを行い、無事本大会に進むことが出来ました。 ローバーの技術要素について紹介しているSAR動画は以下のURLからご覧いただけます。 KARURA公式YouTube https://youtu.be/k6dtk6u6V8c?feature=shared 2024年6月に行われた本大会では、1位までの得点の差が205.27点(満点400点)であったものの、最後まで調整し続け最大限の力を発揮することが出来ました。結果は、本大会に出場した全38チーム中、日本1/2位、アジア5/10位、世界26/38位となっています。 また、様々な国のエンジニアやサイエンティストと話すことで刺激と次の挑戦に向けた知見を得ることが出来ました。一人一人が主体的に動くチームを目指した結果もあってか、各個人が他国のチームにも積極的に話している姿が見受けられました。ここでのつながりを大切にし、今後も切磋琢磨できる良い関係性を築いていきます。 |
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大会を通して多くのメンバーが宇宙や工学・科学に対して更なる興味を抱いたとともに世界にいる仲間たちと繋がりを持つことが出来ました。この経験と実績は次の技術開発をさらに加速させるとともに日本国内において各地の学生が集い、主体的に学び実際の物づくりをする先行例になると考えています。 日本の名を大会にしっかり残し、世界で活躍できるエンジニアを輩出する。そして、次世代の宇宙開を支えるため、KARURAプロジェクトでは引き続き大会への挑戦を続けていきます。 改めましてこの度は弊プロジェクトへのご支援をいただきありがとうございます。帰路につく中、執筆をしていると過去の思い出が次々と蘇ってきました。ここまで戦ってきたメンバーや次の世代が作る今後の活動にも是非ご注目ください。 最後に、ここまで活動に際しお力添えいただきました天野良彦先生、飯尾昭一郎先生、榊和彦先生、千田有一先生をはじめとする信州大学工学部の先生方、そして若里会よりURC参加のために旅費の一部の助成をいただきましたこと心より感謝申し上げます。 |